衛生管理者って何?1種と2種の違いは?

学生時代、文系学部であった自分には全く馴染みのない言葉でした。

社会人になった後、人事部門に配属された際に当時の上司から「衛生管理者取っておくといいよ〜」と言われたことがきっかけでした。本屋に行き、関連しそうな本は探してみると意外に色んな出版社が本を出していて驚いた記憶があります。と同時に自分の視野の狭さを感じました。今回はそんな衛生管理者についてご紹介したいと思います。

衛生管理者って何?仕事内容は?

簡単にまとめると下のような特徴があります。

・国家資格。試験に合格後、免許の申請が必要
・一度取得すれば更新費用はなし。一生ものの資格です。
・企業規模によって選任義務が生じ、配置していない場合は罰則あり
・1種と2種があり、2種は業種が限定
・職場が安全かつ衛生的であるように、専門家事故などを未然に防ぐ仕事を行う

上記をもう少し噛み砕いて説明すると、衛生管理者は労働安全衛生法という法律によって定められた国家資格があり、その試験に合格し、免許の新申請を行わなければ衛生管理者になることはできません。ただ。一度免許が発行されるとその資格は生涯保持することができ、更新の必要もありません。

また、50名以上の従業員を抱える企業は必ず1名以上の衛生管理者を設置しなければなりません。また、衛生管理者は1種と2種にわかれており、1種は全ての業種で選任が可能ですが、2種は製造業や運送業など一部の業種を除いて選任することができます。試験も1種と2種で内容が異なります。

衛生管理者の主な仕事は、作業環境の衛生管理や、労働者の健康管理などがあります。さらに、労働者に対する衛生教育や健康の保持・増進のための措置も、衛生管理者の仕事として挙げられます。また衛生管理者には毎週1回以上、職場を巡視する義務があります。

具体的な仕事内容としては、事業場の環境や設備を視察し、問題が見つかった場合は早急に処置を行わなければいけません。また、労働者の健康診断の結果を把握し、必要に応じて産業医との面談を設定する場合もあります。

私

私も毎週1回、会社の執務スペースや冷蔵庫、ロッカーなど共用スペースを巡視して、衛生委員会で報告していました。

試験概要、出題範囲

上の段にも記載しましたが、それぞれの試験内容は次の通りです。2種は有害業務に関する内容が試験範囲から除外されているのが特徴です。

種類科目出題数配点試験時間
第1種労働衛生(有害業務に係るもの)10803時間
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)770
関係法令(有害業務に係るもの)1080
関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)770
労働生理10100
第2種労働衛生(有害業務に係るものを除く。)101003時間
関係法令(有害業務に係るものを除く。)10100
労働生理10100

難易度と合格率

試験範囲について記載しましたが、実際の難易度はどのくらいで、毎年どのくらいの人数が合格しているのか、令和4年の試験結果は以下の通りです。1種より、2種の合格率の方がやや高い傾向です。

試験区分受験者(人)合格者(人)合格率(%)
第一種68,06631,20745.8
第二種35,19918,08951.4

試験に合格したら

まず試験に合格したら免許の申請を行う必要があります。申請に要する費用は1,500円分の収入印紙と免許証送付用の封筒に貼り付けるための切手代404円が必要になります。このほか、簡易書留で送付する費用などで、トータル2500円程度かかる見込みです。申請後、免許が手元に届くことで、衛生管理者になることができます。

衛生管理者はその資格をだけを生業とすることが難しい資格です。一方、先述の通り、一定規模の企業では衛生管理者の選任義務が生じるため、需要が高い資格でもあります。

試験に合格することで、就職や転職に有利であることはもちろん、衛生管理者の資格を所持していることにより、労務管理や総務など今まで経験してきた仕事以外の仕事に携わる機会が得られるなどキャリアアップにも繋がります。

また、企業の中には衛生管理者に対し資格手当を支払う会社もあるので収入面でのメリットもあります。

まとめ

ここまで衛生管理者の仕事内容と試験について記載してきました。

衛生管理者は企業からの需要が高く、転職や就職にも有利に働く資格です。すでに働いている職場でキャリアアップを目指している人も、衛生管理者の資格取得を検討する価値はあるかと思いますので、興味を持たれた方はぜひ受験を検討してみてください。

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